FIRST ACCESS


 ― 遥かなる大昔 ―

 かつて、世界が楽園と呼ばれていた時代、いわゆる後の世で神話とも御伽話とも呼ばれる物語の出来事が、成立し始めた時代である。
その頃は人間と妖精と呼ばれる種族が共存していた。が、その時代は長くは続かなかった。
 何故ならその後世界は崩壊したのである・・・・・・。


 崩壊後の世界から、しばらく時が過ぎた・・・・・・。

 崩壊後には、ほとんどの妖精という種族が、何処かに消えてしまった。一説には別の空間に飛ばされたとも、また融合していたはずの妖精達の住む世界と人間が住む世界が次元の変動により分裂したともいわれる。
 つまり、もともと、ひとつだった世界がふたつに何らかの原因で別れてしまったということである。が、詳しい事は未だ謎に包まれている。

 さて、その人間という種族が残った地には、僅かな知恵が残っていた。
 それは、後に“魔法”とか“魔術”といわれるものの元だと伝えられている。
 更に、それは“自然”というものと結びつきを強めていき、やがて、“魔学”と“科学”を生み出した・・・。
 そして、魔法・魔術である“魔学”と技術である“科学”が融合し進化したもの、後に幻の究極の学問と呼ばれる“天学”も成立し、世界は異常なほどの発展を遂げた・・・・・・。

 が、歯止めを失った発展が辿る結果は、決まって世界の崩壊である・・・・・・。


 ― 2度目の崩壊後 ―

 そこには“天学“は存在しなかった。死にかけた世界では、究極の学問といわれる“天学”は成立できなかったらしい。
 この崩壊によって、“天学”は幻となってしまったのだ。
 魔法・魔術というものは、僅かには残ったが、“魔学”として成立はできるといえなかったのだろうか、この崩壊後は殆どが消えてしまったという。
 辛うじて、残ったのは“科学”である。その“科学”を人間は利用して生きながらえた……。

 そして、繰り返される発展・・・・・・。

 やがて、“科学”は目論み始めた。
 かつての伴侶でもある魔法・魔術、つまり“魔学”を復活させようと・・・・・・。

 多大な犠牲、それでも世界は化けていく。
 それを後の人間達は“進化”だと位置付ける。
 確かに、後の世には“功績”を残したものだから・・・・・・。
 それは、事実でしかないのだから・・・・・・。

 そして、また崩壊・・・・・・。


 ― 3度目の崩壊後 ―

 2度の崩壊でもしぶとく、この地に生きぬいた人間達も、かつての崩壊とは比べ物にならないほど絶滅の危機に瀕していた。
 人間という生物が、消えていくのは自明の理だと僅かに残る人間の誰もが思い、絶望に打ちひしがれていた時、ひとりの科学者が失われていた“魔学”のひとつともいえるものを完成させた。
つまり、それは“科学”が“魔学”を復活させた瞬間でもあった。

 それは【妖精を作り出す方法】であった・・・・・・。

 それは、古来いたとされる妖精を人工的に作り出すものであった。科学者はただちに妖精を生産し、世界を再生し始めた。
 古来いたとされる妖精は、魔力という力で、この世界を作った種族でもあったのだ。
 科学者が作り出した妖精達は、そのかっていた妖精と寸分も違わないものであり、世界を再生することも当然できたのだ・・・・・・。
 
 こうして、徐々に世界は再生し始める・・・・・・。
 そして、その一方で滅びかけた人間をも再生するために、科学者は、【妖精を作り出す方法】を応用し、人間を作り出すことに成功する・・・・・・。

 かくして、人間の存続の危機も静かに去っていった・・・・・・。

 結果、かつて消え去った妖精と絶滅の危機に瀕した人間達は、“魔学”を帯びた“科学”により辛くも滅亡の道を逃れることができた。

 やがて、そのもの達は、それが定められた運命だといわんばかりに、また発展を求めていく。
 かってないほど、その勢いは激しいものだったという・・・・・・。

 時は流れ、大昔といわれる時代に存在した原始的な世界を再生し、また、発展を遂げていく・・・・・・・。


 そして、気の遠くなるような歳月がまた流れる・・・・・・。

 やがて、“科学”と“魔学”に作られた“自然”が彩る世界が誕生する。
 あらかじめ、それが決まっていたかのように・・・・・・。




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